
経理Unitから事業の成長基盤を推進する改善の視座。請求プロセスの構造分析で工数60%削減を達成する実行力
-
モギ
モギ
早稲田大学出身。前職では、コロナ禍の困難な状況下で競合調査と改善策実行により、入社2年目に全国セールスTOP5%に入る成績を達成した。潜在ニーズを発掘する接客に魅力を感じ、より深いレベルでの顧客体験の提供を求めクーリエにジョイン。当初はキャリアコンサルタントとして従事していたが、高い業務精度が評価され財務経理部門へ異動。より高度な分析やレポーティングによって経営判断に貢献するべく日々の業務に励んでいる。
潜在ニーズを発掘する接客体験が転職のきっかけに
モギさんはもともと小売業界で家電販売員をされていたそうですね。当時の業務内容について教えてください
前職は大手ディスカウントストアで2年間勤めていました。主な業務は接客対応で商品の販売・説明を行うほか、過去の売上データを活用して季節やイベントごとに売場設計を行ったり、商品の発注管理も担当していました。
日中は現場責任者として従業員のシフト管理も任されていて、幅広い業務に携わっていましたね。家電のほかにもゲーム・ホビー部門を担当することもあったのですが、自分の趣味であるアニメや漫画などの話では、お客様との会話が弾むことが多く、接客を通して充実感を感じていました。
ただ、コロナ禍に入り客足が大幅に少なくなってしまいました。限られた客数で成果を最大化するために、近隣店舗の調査と前年度の改善点を洗い出して対策するようにしました。
具体的には、競合店調査として実際に店舗に足を運び、価格調査や販売スペースのレイアウトを月一回のペースで調査していました。活かせることはないかという視点で現場を見て回っていたんです。
また、前年度の改善点については、売上資料から「どんな商品がいくつ売れたのか」「売り上げが良かったタイミングではどんなイベントをしていたのか」を詳細に分析し、取り扱う商品を入れ替えたり、店内のレイアウトやオペレーションを改善したりしました。
このような視点で改善施策をを実行した結果、入社2年目に全国セールスTOP5%にランクインすることができました。この成果は自分にとって大きな自信になりましたね。
全国セールスTOP5%という素晴らしい成果を出されたにも関わらず、転職を考えるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
転機となったのは、ある方の接客でした。それまで対応していたお客様は「これが欲しい」と商品が決まっている方が多かったのですが、引っ越しを機に家具や家電を一新したいというお客様の接客を担当したんです。
そのお客様は、目指すライフスタイルから丁寧にヒアリングして、その方に合った商品を提案する必要がありました。お客様自身が明確に理解している希望以外の、潜在的なニーズをヒアリングで引き出し、そのニーズに合った商品を提案できたとき、非常にやりがいを感じたんです。
たとえ提案が刺さらなかったとしても、その理由からお客様の考えをさらに深掘りしていけることが新鮮で、この経験がとても貴重に感じられました。こうした深いレベルでの接客や顧客体験を提供する仕事をもっと経験したいと思い、他の業界にも目を向けるようになりました。

クーリエへの入社を決めた理由について聞かせてください
面接の際に、クーリエは社員一人ひとりの意思を大切にしつつ、意思決定のスピードが速い環境だと伺いました。その時に私が「カスタマーの人生の大切な岐路に関わりたい」という想いを伝えたところ、真剣に受け止めてくださり、当時発足したばかりの「みんなの介護求人」のキャリアコンサルタントチームへの配属を提案していただきました。
転職という人生の岐路に関わる仕事かつ、一人ひとりの潜在的なニーズに目を向ける必要があるということで、前職で感じていた深いレベルでの顧客理解と提案する経験ができると期待しました。全く未経験の業界でしたが、「この会社なら自分の描くスキルアップやキャリアアップが実現できる」と直感したんです。
このクーリエismも参考になりました。チームごとに定期的に勉強会を開催し、個々のノウハウを共有する文化があることを知り、未経験であっても大きく成長できると確信しました。自分と同じように業界未経験ながら活躍されている先輩方のエピソードが多く紹介されており、入社を決断する一つの後押しになりましたね。
未経験から財務経理で業務効率化を実現
入社後はキャリアコンサルタントから財務経理へ異動されたそうですね。その経緯について教えてください
キャリアコンサルタントチームの立ち上げから1年半ほど経過した頃のことです。チーム全体で標準化されたヒアリングフローや、求職者の属性別アプローチ方法といったノウハウが蓄積され、私自身も安定してKPI目標を達成できるまでになっていました。
しかし、まさにその成功体験があったからこそ、「このままこの業務を続けていて、5年後の自分にどんな価値を提供できるのだろうか」という疑問が湧いてきたんです。営業スキルと問題解決力は確実に身についた実感がありましたが、組織が安定したタイミングで次のキャリアステップを模索する時期に差し掛かっていました。
転機となったのは、キャリアコンサルタント業務の一環として担当していたクライアントへの請求書作成業務でした。「みんなの介護求人」のビジネスモデルでは、求職者の就職が決まるとクライアント企業から成功報酬をいただきます。その際の請求書作成は、案件を担当したキャリアコンサルタント自身が行うという業務フローになっているんです。
ただし、介護施設との契約内容は複雑で、請求書作成の際の確認項目は多岐にわたります。月間多くの請求書を作成していましたが、私が作成した請求書は過去6ヵ月間で修正依頼が0件だったんです。
そのタイミングで、財務経理部門のマネージャーから声をかけていただいたんです。「モギさんの請求書は一度もミスがない。経理として必要な正確性に加えて、業務プロセスを改善する視点を持っているのではないか」と評価していただき、異動の打診を受けました。
正直驚きましたが、自分では「当たり前のこと」と思っていた細かな確認作業や数字へのこだわりが、実は組織にとって価値のあるスキルだったということに気づかされたんです。何より、組織全体を支える基盤的な役割への興味が勝ったんです。
現在は、請求書発行業務を担当しており、「みんなの介護」チームと「みんなの介護求人」チームからの依頼をほぼすべて処理しています。また、売上データの集計・確認、会計事務所への月次報告データ作成、クライアントからの入金確認など、金銭の流れを一元管理する業務も担っています。
財務経理の業務で特に成果を出した経験について詳しく聞かせてください
最も印象的だったのは、「みんなの介護」の大手法人クライアントへの請求業務効率化プロジェクトです。
問題の発端は、運営施設数が多い大手介護法人への請求書作成業務でした。通常であれば1件あたり15分程度で完了する請求書作成が、これらの法人では平均45分かかっていたんです。
現場のセールスとクライアントで請求内容の認識をすり合わせ、その内容をもとに経理で請求書を作成するフローのどこに原因があるのか、過去6ヶ月分の請求書修正データを徹底分析したところ、問題の構造が見えてきました。
【問題の構造】
1.セールス側の課題:複数施設分の契約内容確認プロセスの標準化不足(確認内容の記録・共有体制に改善余地)
2.クライアントとの情報共有プロセスの課題: 入居費以外の料金への認識の相違共通認識、担当者変更時のサポート体制の不備
3.システム側の課題:請求内容変更の履歴管理が不十分、承認フローが曖昧
そこで、請求書修正データをもとに、修正内容を「料金体系の認識違い」「請求タイミングのズレ」「キャンペーン適用条件の相違」の3つに分類し、それぞれの発生頻度と修正にかかる時間を定量化したんです。
結果として、月間平均20件の修正対応が発生しており、修正1件あたり平均40分の工数がかかっていることが判明しました。さらに、修正対応によるクライアントへの謝罪連絡や再発防止のための社内調整も含めると、月間で約25時間の非効率な時間が生まれていました。
改善策として、セールス・クライアント間の認識合わせるチェックシートを作成しました。このチェックシートには、請求タイミング、料金体系、オプションサービスの有無、キャンペーン条件の適用期間など、過去の修正パターンを網羅した15項目を設定。セールスチームには「契約締結時の必須確認事項」として運用してもらいました。
ただし、チェックシートを作成しただけでは現場に定着しないことは明らかでした。そこで、カスタマーサクセスのリーダーに対して個別説明会を実施し、なぜこの改善が必要なのか、どのような効果が期待できるのかを丁寧に説明したんです。特に重要だったのは「修正対応で発生している25時間/月の工数が、本来であればより付加価値の高い業務に使える時間」であることを数値で示したことでした。
現場に装着させる流れは、大きく以下のようになります。
【施策を現場に装着するまでのハンズオン】
導入から2週間:
デイリーでセールスチームの運用状況をヒアリングしチェック
活用方法を現場で実際に示して見せ、落とし込みレベルを上げる
導入から2ヵ月目
セールスチームと合同で月次の振り返りMTGを開催し、原因分析~アクションプラン取りまとめ
導入初期の2週間は、毎日セールスチームの運用状況をチェックしました。実際にチェックシートが使われているか、記入漏れはないか、クライアントからの反応はどうかを日次でヒアリングし、運用上の課題を即座に改善していったんです。例えば、「チェック項目が多すぎて時間がかかる」という声を受けて、頻出する5項目を最優先項目として色分けし、残り10項目を補助確認項目として整理し直しました。
さらに、毎月の請求書作成前に、前月との差分チェックを実施するフローも追加しました。これにより、「今月から条件が変わっているが、セールスから連絡がない」といった潜在的なリスクを事前に発見できるようになったんです。
最も苦労したのは、導入1ヵ月目の中盤でした。セールスメンバーの一人から「チェックシートの記入で商談時間が長くなり、クライアントに負担をかけているのではないか」という懸念が寄せられたんです。そこで、実際の商談に同席させてもらい、チェックシートの活用方法を現場で一緒に最適化しました。結果として、「事前確認がしっかりしているセールス担当者」としてクライアントからの信頼度がむしろ向上することが分かったんです。
導入から6週間後、最初の成果が見え始めました。それまで月20件あった修正依頼が15件に減少し、修正1件あたりの対応時間も40分から30分に短縮されていました。この時点で、セールスチーム内での意識も大きく変わり、「チェックシートがあることで、自分たちも安心してクライアントと話せる」という声が聞こえるようになったんです。
2ヵ月目は、更なる改善に取り組みました。月次の振り返りミーティングをセールスチームと合同で開催し、「今月発生した修正8件の原因分析」を全員で行いました。その結果、残る修正要因の多くが「クライアント側の担当者変更に伴う引き継ぎ不備」であることが判明したため、クライアント向けの契約内容確認書も新たに作成し、担当者変更時に必ず共有するフローを確立しました。
この改善により、2ヶ月ほどで月間修正件数が20件から8件に減少し、削減率60%を達成しました。修正対応にかかっていた25時間も月間10時間まで短縮され、その時間を他の業務改善プロジェクトに充当できるようになりました。
特に印象的だったのは、財務経理チームの他メンバーからの反応です。「モギさんのおかげで、ずっと後回しにしていた経理システムの見直しに着手できた」と言われた時は、個人の改善が組織全体の生産性向上に繋がる実感を得られました。
現在では、この改善手法を「みんなの介護求人」の請求業務にも横展開し、全体の請求業務効率化に取り組んでいます。数字の裏にある「なぜそうなっているのか」を追求し、根本的な解決策を見つけることの重要性を、身をもって体験した案件でした。

未経験の分野でも短期間で成果を出せた理由は何だと思いますか?
入社前のイメージでは、クーリエは個々人の実力がものをいう実力主義で個人主義の強い組織だと思っていました。しかし実際は、厳しい部分もありますが決して見捨てない会社だったんです。
未経験で分からないことが多い私にも、理解できるまで何度でも丁寧に業務内容を教えてくださいます。どんなに忙しい時でも、1on1など定期的に話し合う場を設けてくれるため、周囲に支えられている実感がありました。
そのおかげで、失敗してもあきらめずに仕事に取り組み続けられています。最初に配属された求人チームでのキャリアコンサルタント業務も、現在担当している経理業務も、いずれも未経験からのスタートでした。それでも、周囲の方々に教えていただいたことを一つひとつ吸収し、失敗を重ねながらも成長を重ねてこられたと思います。
異動して3~4ヶ月経った頃に、「みんなの介護」チームや「みんなの介護求人」チームから依頼される請求業務を、ほぼ一人で任せていただけるまでになりました。メンバーが動きやすい環境を支えながら、経理業務を安定して回せていることに、自分自身のスキルの成長を実感しますし、チームに貢献できているという手応えも強く感じています。
会社成長を支える改善提案で組織全体に貢献したい
今後のキャリア目標について教えてください
チームが取り組んでいる「業務の効率化」や「金銭の流れの明確化」に対して、より深いレベルで貢献できるようになりたいと考えています。
現在も請求書の発行システムに関して、積極的に現場の声を拾い、業務効率が上がるように改修を依頼したりしています。
現状では、既存の社内システムやオペレーションに沿って処理を行う業務が中心ですが、そこに加えて「ここをこう変えればもっと仕事がしやすくなる」「負担が軽減される」といった改善点を自ら見つけ、解決できるような視点や知識を身につけたうえで、業務改善をリードしていきたいと思っています。
自身のスキルアップにつながるのはもちろんですが、それ以上に、こうした取り組みは会社の成長を支えるうえで不可欠だと考えています。
また、クライアントとの契約内容の確認及び請求確認業務を行うアライアンス部署の補助業務も担っています。クライアントに架電して、未入金内容の確認・督促し、回収するという業務です。アライアンスチームだけでは追い切れていなかった案件を追いかけて、売り上げをつくっています。
クーリエの成長スピードを加速させるために、どのような貢献をしていきたいですか?
売上データの収集確認、会計事務所への毎月の売り上げ報告のためのデータ出し、クライアントからの入金確認など、データを扱う業務が多いので、より高度な分析やレポーティングによって経営判断に役立つ情報を提供できるようになりたいです。
クーリエは非常に速いスピードで成長していますが、例えば請求書の発行や月末月初の財務処理といった日々の業務の中に、さらにその成長スピードを加速できる可能性を感じる瞬間があります。
まずは現状からの発展として、既存システム・オペレーションに沿った処理から、改善提案まで実行できる人材になることが短期的な目標です。そして中長期的には、業務の改善点の発見と解決ができるようになりたいですね。
個人のスキルアップ以上に、会社成長を支える取り組みの実行に注力したいと考えています。日々の業務である請求書発行や月末月初財務処理の中に潜む成長可能性を発掘し、実現していくことが私の具体的な成長領域だと思っています。

最後に、コーポレート職を目指す方や異業界からのキャリアチェンジを考えている方へメッセージをお願いします
これまでの経験や年齢に関わらず、「挑戦したい」という気持ちを強く持っている方に、クーリエは向いていると思います。この会社は非常に速いスピードで成長しているため、求められる業務に真摯に取り組める方はもちろん、新しい領域にも積極的に踏み込んでいける方を歓迎していると感じます。
さまざまな業界から集まった仲間が多く在籍しているため、ひとつの視点にとらわれない、多様な仕事への向き合い方やスキルを身につけることができます。自分でも気づかなかった長所を見つけてもらい、思いもよらなかったキャリアの可能性が広がるかもしれません。
クーリエは一人ひとりの成果や成長をしっかりと見守ってくれます。今あるスキルをさらに伸ばしたい方はもちろん、まったく新しい分野にチャレンジしたい方にとっても、きっと素晴らしい経験ができる環境です。
財務経理は、お金を扱う重要な部署であり、表立って目立つことは少ないかもしれませんが、その分責任も大きく、非常にやりがいのあるポジションです。縦割りではないフラットな組織で、所属する部門がありつつプロジェクトメンバーとしてもアサインされる体制なので、適性に応じてさまざまなチャレンジが可能です。
コーポレート機能のスペシャリストとして、業務効率化や生産性向上のための新しいシステムや制度の導入・運用に携わることもできますし、経営陣と連携した中長期的な視点での組織・制度設計にも関われる可能性があります。一緒に働ける日を楽しみにしています。