
データ公開ワークフローのリードタイムをBPRで47%に圧縮。業界No.1プラットフォームのコンテンツサプライチェーンを支えるBizOps
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タテワキ
タテワキ
大学で現代哲学を専攻しながらバンド活動に情熱を注ぎ、東京のコンテストでボーカル賞を受賞。音楽活動と両立するためアルバイトとしてクーリエに入社後、品質管理を高度化するべく正社員に。介護施設情報掲載の受注から公開まで平均21日だったリードタイムを10日に改善し、業界No.1維持に貢献。現在は入社5年目のプレイングマネージャーとして、ビジネスの成果とメンバーの成長の2つを同時に達成することを目標に掲げている。
音楽への情熱から見つけた「本気で届ける」ことの重要性
タテワキさんは大学では現代哲学を専攻し、バンド活動にも精力的に取り組まれていたそうですね。当時はどのようなことを考えていましたか?
大学では現代哲学を専攻していて、特に「幸福」というテーマについて研究していました。哲学的な思考を深めながらも、実は軽音楽サークルに所属してバンド活動にかなり力を入れていて。バンドの中心的な役割としてボーカルを担当していました。
バンド活動では、良い楽曲を作ることについて日々考えて行動していましたね。ボーカルとして自分が何を伝えたいのか、何を感じているのかには常に敏感でいるようにしていましたし、メンバーとよく話し合って、出たアイデアもすぐに実践していました。
聴衆に届くように、かつ嘘にならないように工夫しながら歌詞とメロディに落とし込んでいく作業が本当に楽しくて。その頃から、何かを伝えるためには表面的な部分だけでなく、本質的な価値を追求することの大切さを学んでいたと思います。

音楽活動を通じて学んだことはありますか?
東京で開催されたバンドコンテストに参加して、ボーカル賞をもらったことがありました。実は前日まで福島のサークル合宿にいて、夜行バスの時間ギリギリまでお酒を飲んでいたので、目覚めたら喉が酒焼けしていたんです(笑)。なんとか賞をもらえたのは嬉しかったですが、賞金1万円のAmazonギフトカードに対して出演費と交通費で結局赤字でした。
でも、この経験を通じて「良いものを作っただけでは届かない」ということを痛感しました。当時はまだ社会人経験もなく、社会を甘く見ていたので、良い曲を作れば自然に届くと思っていたんです。でも実際は、本気で届けようとしないと届かない。そういう意味で、やりきれていなかったなと今は反省しています。
この気づきが、後にクーリエでの業務改善に取り組む際の「本気で成果を出す」という姿勢につながっていると思います。

そこからクーリエにアルバイトとして入社されたきっかけを教えてください。
大学卒業後、クリエイティブな自己実現とビジネスキャリアの両軸でのポートフォリオを構築する方法を模索していました。音楽活動と並行して、持続可能な働き方でビジネススキルを獲得できる環境を模索していた際に、クーリエがマッチしたんです。
それに、音楽活動を通して気づいた「本気で届けようとしないと届かない」ということと、クーリエの「確かな価値を、多くの人へ。」というビジョンが重なったように感じました。
また、面接で人事担当者から「やることがほぼ毎日変わるようなベンチャーなのでキャリアの幅が広がりますよ」という話と具体的な業務の話を聞いたときに、面白そうだと思えました。
恵比寿ガーデンプレイスにオフィスがあることも魅力的でしたし、変化に富んだ環境で働けることに興味を持ちました。
現場の課題を自分事として捉え、根本解決に挑む
入社後はどんな業務を担っていましたか?
品質管理部門で、主に「みんなの介護」に掲載いただいているクライアント対応業務をしていました。また、カスタマーがサイトを訪れたときの体験が最大化されるように、介護施設の紹介ページに掲載する原稿の質の改善と適正化がミッションでした。
アルバイトとして品質管理業務に関わっていた当時は、今より問題が山積みでした。予実管理やKPI管理が決して精度の高いものとは言えない現実がありました。
そのような課題が目の前にあるのに、アルバイトでは担当できる業務に限界がありました。現場視点で培った経験をもとに、オペレーション自体の見直しや仕組みの再構築など、解決したい課題がたくさん出てきました。正社員になって業務フローを可視化したうえで、しっかり整備できるように仕組み化したかったんです。
ちょうどその時、正社員登用のお話をいただきました。
クーリエはフラットな組織体制で、役員との距離も近く、データドリブンで意思決定がされるカルチャーに魅力を感じていました。それに、社歴に関係なく成果とロジックがしっかり伝わっていれば正当に評価される環境が良いと思ったので、正社員になることを決めました。
正社員になってからは、どのような課題にアプローチされたのでしょうか?
品質管理部門の真に提供できる価値は、「みんなの介護」に正確な介護施設情報を迅速に公開して、サイトを訪れたカスタマーの体験価値を向上させ、介護施設にカスタマーを紹介できるようにすることです。
ただ入社当時は、介護施設情報の原稿の作成から公開に至るまでの業務が、あらゆる面で属人的で、一見不要に思えるような作業もマニュアルにはありました。
例えば、新規オープンする介護施設の掲載依頼を受けた場合、まず外部ライターに原稿作成を発注していたのですが、ライターによって品質がバラバラといった問題が頻発していました。
そのため、担当者が一つひとつ手作業で修正を行い、さらに複数回の校正を経る必要がありました。しかも、当日公開できる施設を毎朝スタッフが画面を見ながら目視で確認して、「この施設は写真が足りない」「こちらは料金プランの記載が不完全」などとチェックして公開していたんです。
そこでAs IsとTo Beを定義し、現状を徹底的に分析しました。
受注から施設紹介ページの公開まで、実際にケースを1件ずつタスクを細分化し、どの工程でどれだけの時間がかかっているのか、なぜその作業が必要なのかを一つひとつ検証していったんです。すると、「本来不要な作業」や「自動化可能な作業」が予想以上に存在していました。
具体的にはどのような施策に取り組まれたのですか?
改善プロジェクトでは、「顧客価値に直結しない作業を徹底的に排除する」という明確な方針を立てました。バンド時代に学んだ「本気で届ける」という姿勢で、介護施設を探している人により早く正確な情報をお届けするために、3段階のアプローチで取り組みました。
第二段階:公開判定の自動化
第三段階:微細作業の徹底自動化
第一段階:AI原稿作成システムの構築
まず、最も時間がかかっていた原稿作成を根本から見直しました。外部ライターに依頼していた作業の一部を、施設から提供される基本情報を基にAIが自動で原稿を生成するシステムを開発したんです。
これが想像以上に大変で、AIに介護業界の専門知識を学習させるところから始めました。「特別養護老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の違い、適正な料金相場、各サービスの説明の仕方など、数百パターンのこれまでに公開した質の良い原稿をAIに学習させ、さらに出力結果を人間がチェックして精度を上げていく作業を繰り返しました。
結果として、従来は5日かかっていた原稿作成の工数を、5分に圧縮、しかもより高品質に作成できるようになったんです。最終的には担当者による確認フローを挟むことで品質を担保していますが、時間短縮と同時に初稿の品質標準化も実現できた点が大きかったですね。
第二段階:公開判定の自動化
次に取り組んだのが、毎朝の目視確認作業の自動化です。開発チームと連携して、公開可能な状態の原稿とまだ公開できない状態の原稿をデータベースで自動判定するロジックを構築しました。
以前は施設情報の公開予定日に、原稿が公開可能な状態か目検して手動で振り分けていたものをシステム化しました。これにより、あらかじめ決めた時間になると自動的に公開準備が整った施設だけが公開される仕組みを作り上げました。
第三段階:微細作業の徹底自動化
さらに、一見小さな作業でも10秒以上かかるものはすべて自動化の対象にしました。「これくらいは手作業でいいか」と思いがちな作業こそ、積み重なると大きなロスになるんです。
これらの改善により、平均21日かかっていた公開期間を10日まで短縮することができました。でも、この数字の意味するところは単なる効率化以上のものがあります。
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21日から10日への短縮は、施設運営者にとって「あと3週間待ってください」が「あと10日で公開できます」に変わるということです。介護施設を探している方にとって、1日でも早い情報提供がどれほど重要か。この改善によって、月間で数多くの施設情報を新規公開できるようになり、結果として業界No.1の掲載施設数を維持し続けることに貢献できました。
プロジェクト全体を振り返ると、起案から実装まで1ヶ月以内で完了できたのは、インハウス開発体制とデータドリブンな意思決定文化のおかげです。外部ベンダーに依存していたら、要件定義だけで1ヶ月かかっていたかもしれません。
何より嬉しかったのは、翌月からチーム全体が「どうすればもっと早く施設情報を公開できるか」という視点で業務に取り組むようになったことです。単なる業務改善を超えて、組織全体の問題解決マインドを変革できた手応えを感じています。
事業成長とメンバー成長の両立を目指すマネージャーとして
現在はプレイングマネージャーとして活躍されていますが、今後どのようなキャリアを描いていますか?
品質管理のマネージャーとして、チーム全体のKPIを追いながら、インパクトあるプロジェクトを推進して、しっかり成果を出していきたいと考えています。
実は今、品質をさらに向上させるために、現状はデータベースでNULLになっている情報を拡充する施策のPMを担当していて、大きなリターンも見込んているため、確実に成果を出したいなと思っています。
私が重要だと考えているのは、ビジネスの成果とメンバーの成長の2つを同時に達成することです。数字を追うだけでなく、チームメンバーが成長できる環境を作ることで、長期的な組織力の向上につなげていきたいですね。
現在入社5年目を迎えましたが、いまでも自分のレベルより少し難しい難易度の仕事が常にあり続けているので、成長の機会に恵まれている会社だと感じています。このような環境で、自分自身も成長し続けながら、チームを牽引していきたいです。

タテワキさんが考える、クーリエのオペレーションマネージャー(BizOps)に向いている人材像を教えてください。
問題解決を最優先として行動できて、年齢や社歴にとらわれない人ですね。あとは、多岐にわたる仕事を同時進行で進めたりもするのでタスク量は多いです。だからこそ、未経験領域や一見関係なさそうなことを、自分事として楽しめる人が向いていると思います。
クーリエのようなクイック&ダーティな仕事の進め方と、データドリブンの意思決定がここまで根付いているのは相当珍しいのではないでしょうか。このような環境に順応し、スピード感を持って業務に取り組める人が活躍できると思います。
また、求められるレベルは他社と比べて高いと思いますが、その分成長の機会に恵まれています。若いうちから成長をしたい人にとって、クーリエは確実なビジネスマンとしての成長を提供できる会社です。
最後に、オペレーションマネージャー(BizOps)に興味がある方や業務効率化に関心のある方へメッセージをお願いします。
直近ではAmazonなど、名だたる経歴を持つ方が続々と入社してきているので、仕事への解像度が高まります。自分の言葉でいまどんな仕事をしているのか、どんな価値があるのか説明できるようになります。
クーリエに入ってから、少し自分の人間性も影響されていると思います(笑)。データドリブンな意思決定や、迅速なプロジェクトの進め方が身につき、ビジネスマンとしての確実な成長を実感できています。
業務効率化や業務改善に興味がある方にとって、クーリエは理想的な環境だと思います。現場の課題を自分事として捉え、データに基づいて改善施策を立案・実行できる。そして、その成果が直接事業成長につながる実感を得られます。
望めばたくさん成長できる場所です!一緒に働けるのをお待ちしております。