スタバのコーヒーは高いのか?能動的に顧客とつながり、カスタマーエンゲージメントを創り出す

学生時代から約6年、「第3の居場所」の提供をコンセプトとするスターバックスを始めとしてコーヒー業界数社で顧客体験を学び、前職の暗闇フィットネスジムではLTV向上を目的とした企画を推進。サイトウが今、クーリエにいる理由とは。
全世界で一貫したサービスを提供するスタバの仕組みとは?
-スタバでの接客はマニュアルがないそうですね。なぜ全国の店舗で「スターバックス体験」ができるのでしょうか?
コーヒーの作り方に関しては、オペレーションが1から10まで詳細にマニュアル化されている一方で、現場での接客は、個々の裁量に委ねられていました。
ブランド・プロミスといって、スターバックスがどうあるべきか明確に言語化されていたので、そのうえで「お客さまが何を求めているのか」「自分は何ができるか」常に考え、『スタバらしい』体験をお客さまと一緒に作っていくことが求められていました。
コーヒーだけではなくて、感情的な繋がりを提供していることが、スタッフのオーナーシップやお客さまのエンゲージメント、スターバックスというブランドをつくりあげているのだと思います。
「スタバのコーヒーは高いのか」という論争がありますが、お客さまが「価格に対してどう感じるのか」は体験次第であるということを身をもって学ぶことができました。
-クーリエの目指す『圧倒的な顧客志向』と重なる部分はありますか?
CX(顧客体験)を構成する要素は似ているなと思います。
まずは、機能的価値です。介護施設について「勉強から始めなくちゃ」というお客さまからの声をよく耳にしますが、全国の介護施設のデータベースと、インプットした知識を活用して、お客さまの負担をどれだけ軽減できるかです。
ただし、ご家族のケアやご自身のウェルネスに関わるご相談なので、それだけでは不十分で、情緒的価値の提供も求められます。
施設を見つけるまでのタッチポイントがいくつかある中で、それぞれの場面で私たちカスタマーサクセスによる「意味のある体験」が提供できれば、顧客離反のリスクを最小化することにもなりますし、それによって、課題解決に至るまでお客さまのサポートができれば、信頼を得ることも繋がると考えています。
以前ペットと一緒に暮らすお客さまからご相談を受けたのですが、九州地域全域でペットと入居できる施設を調査して、ご見学をセッティングして、ご入居を決断されたとご報告いただけた時は、自分の事のようにうれしかったです!

-カスタマージャーニーですね。他にもクーリエだから実現できることはありますか?
サイトのUI/UX改修など、顧客の行動を想像し、先回りしてトラブルや不便を回避するような改善も、現場の声から実現できる点ですね。
サイトが改善されることによって、お客さまがご自身で解決できる範囲を広げると同時に、専門的な知識や複雑な問題については、私たちが介在して解決できるようなフローをカスタマーサクセスチームが主体者となり構築するイメージです。
起こっている問題をリアルタイムで発見できるシステムを活用しながら、現場の判断で解決できるようなオペレーションフローを整備することも重要ですし、サービスを通して摩擦の少ない顧客体験を目指せる面白さがあります。
カスタマーサクセスを戦略的に捉える
-クーリエ入社前は、暗闇フィットネスジムでLTV改善の取り組みも行っていたと聞きました。
ポジションに関係なく全社員が企画提案できる環境だったので、「1ヶ月に1提案」を目標に、集客の方法やキャンペーンの企画書を提出していました。
私もジム利用者で、スパルタンレースに出たりしていたので(笑)ユーザーとしての経験も生かせたかなと思います。
実現できたことの一つが、顧客の離脱ポイントとなる痛点の見極めです。
ジムっていかに習慣化してもらうか、日常生活に深く入りこめるかが継続率に影響すると思ったんです。
実際に入会者の継続率と月あたりのレッスン受講回数に相関関係があったので、まずは受講回数の基準をクリアしていただくようなご提案を行いました。
-ビッグデータ分析、AI、IoTなどのテクノロジーの力によって、提供するサービスが「収益を強化する手段」にもなり得るということですよね。
お客さまが望んでいることを、直感や経験ではなくテクノロジーを活用して正しく理解した上で、コミュニケーションやサービスの提供を行って、戦略的に顧客のロイヤリティを強化できた成功体験ですね。
-クーリエの事業におけるLTVってなんでしょうか?
介護施設を探すというサービスの特性上、何度もご利用いただく可能性は低いので、「知り合いにも薦めたい」と口コミによって広めていただけるサービスであるかどうかが一つの指標だと考えています。
私たちの耳に届かないお客さまの課題は解決ができません。そのためにも、能動的にお客さまとの繋がりをつくって、率直なフィードバックをいただきながら、お客さまと一緒に問題を解決していきたいです。

「私がここにいる理由。」
私自身も気づきがあれば、チーム内での積極的な発言や質問を心がけています。
お客さまに対しても、チームに対しても、現状がより良い方向に向かうように率先して動ける人でいたいんです。
たとえば電車などの遅延でタクシーが集中的に利用される場面を想像していただきたいのですが、「〇〇の方面の方いらっしゃいますか?」と行列に声をかけるのもリーダーシップなんですって。
こういうことなら自分でもできるぞ!って。

-いつもハキハキして元気なサイトウさんのモチベーションは?
スターバックスでは「私がここにいる理由。」を機会があるごとに聞かれるのですが、いつでもその問いに答えられるような自分でいたいと思っています。
将来はコーヒーで事業を自分で立ち上げたいという野望があります。
クーリエでは、オペレーションフローの見直しやデータの活用、仕組み化など、とても高い解像度が求められますが、将来のためにも、積極的に成長のチャンスを自分で掴み取りたいです!
-ポジティブなパワーに圧倒されています(笑)
得た情報をアウトプットすること、トライアンドエラーを繰り返しながら成長できる環境って楽しいですよね?
私、好奇心も旺盛で、プライベートでも航空管制官、コーヒー屋さん、馬の世話、保護犬活動などやりたいことは尽きません(笑)
休日は「トロ」と名付けたコーギーくんといろんなコーヒー屋さんにおでかけしたり、空港の展望台でATC(無線)を聞いたりしています。
無線の言葉は独特なので、自分で調べながら解読すると面白いですよ!
-プライベートでもエネルギッシュ・・・
