五大法律事務所から転職したのは「リーガル✕経営」の仕組みづくりに携われるから

今回は、クーリエで戦略法務として活躍するサトウにインタビューをします。
東大法学部に進学し、大学院1年目で予備試験に合格。最短ルートで「五大法律事務所」の弁護士になるも、なぜベンチャー企業への転職を決めたのか。
「逆転裁判」で弁護士に憧れて
小学校の頃に「逆転裁判」のゲームにハマって、「弁護士ってカッコいいな~!」と漠然と思うようになりました。とはいえ、弁護士になるためにずっと勉強してきたわけでもなく、むしろそのことは忘れて、学生時代は野球部で部活動にも励んでいました。
高校は甲子園を目指せるレベルの強豪校で、進学校でもありました。幼稚かもしれませんが、「甲子園に出場して、さらに東大に入ったらすごくない?」と思い、文系の国内最高峰である東京大学教養学部文科Ⅰ類を受験することにしました。
残念ながら甲子園には出られませんでしたが、東大には一年間の浪人の末になんとか入れました。東大には、3・4年生で進学する学部を選ぶ進学選択制度というものがあり、法学部を選択しました。将来のことを考えるにあたって、「人助けで稼げれば一番いい」と思っていました。ただ、官僚も商社マンもコンサルタントもいまいちピンとこず、子どもの頃に憧れを抱いた弁護士を目指すようになっていきました。
大学院1年目で運良く司法試験予備試験に合格でき、司法試験も受かることができました。就職活動で法律事務所をいくつか受けた中で、最終的には五大法律事務所の一つである大手弁護士事務所に入所しました。そこには500名の弁護士が在籍していました。
大学に入ってからも野球は続け、4年次にはキャプテンも務めました。

替えの利く弁護士として1人前になれるまで10年やっていけるか
入所した法律事務所では、大型の訴訟から、契約書レビュー、インサイダー規制の調査など、多岐にわたる業務にチームで対応していきました。しかし、請け負う案件が大きいだけに、自分の仕事がどこに役立っているのか、自分の成長にどうつながっているのかということについて実感が得られづらい状態にもなっていました。
また、新社会人のよくある悩みかもですが、優秀な弁護士に囲まれた環境で、いつでも置き換えの利く500分の1の自分の存在意義について考えるようにもなっていきました。
顧客ありきの商売ですから、深夜まで残ったり、土日も業務に追われることが少なくありませんでした。法律事務所とはそういうところだと頭では理解しているつもりでしたが、いざ自分が身をおいてみると、この先ずっとそういった生活を送っていくことに疑問を抱くようにもなりました。
大手法律事務所の大量採用の背景には大量離職があり、それでも会社は仕組みで回っています。それは当然そうあるべきなのですが、自分の貢献度を直接的に感じられる場を求めて転職を決意しました。
弁護士の世界では、10年続けてようやく一人前と認められるようなところがあります。事務所で出会った先輩や同期はみな素敵な人達でしたし、申し訳ない気持ちもありましたが、逆に言えばこれからの10年のことを考えたらすぐに決断すべきだと考えました。

転職活動時に重視した2つのポイント
前職の経験から、「自分が行っている案件の全体感を掴みながら仕事ができる」ことと「ワークライフバランス的な観点で、ある程度自分の時間を確保できる」ことの2点をポイントに、転職活動を行いました。これらを重視するのなら、別の法律事務所に移るよりも事業会社の法務担当、インハウスローヤーを目指すべきだと考えました。
その条件に合致した1社がクーリエでした。役員面接の際に「リーガルの知見に加えて、経営視点でどう舵切りをしていくかということまで考える事のできる人材を求めている」と伺ったことが印象的でした。若いうちに経営にもインパクトを与えられる仕事ができるのは、とても貴重な経験になると感じました。
また、最終面接への段取りも早く、その場で内定を出していただいたことにも「こんなに意思決定の早い組織があるのか!?」と衝撃を受けました。
4社受け、3社からは内定をいただいていたのですが、最終的には一番最初に内定をいただいていたクーリエへの入社を決めました。面接の際に職場の雰囲気も見せてもらったのですが、社員の皆さんが活発に議論しながら仕事を進めている様子が感じ取れて、純粋に良い雰囲気だなと思えたことも決め手の一つです。
あと、前職は真夏でもジャケット着用が必須だったため、みんな私服で働くベンチャーっぽい環境に“ギャップ萌え”して、ここで仕事したいなとも思いました(笑)。

メリハリある働き方だからこそ脳をフル活用して課題に挑む
入社してからも、業務を推進するスピード感には驚いています。成果物に対するレビューもすぐに返ってきますから。
一方で、19時半にはみんな退社し、仕事を持ち帰ることもありません。だからこそ、決められた時間内でフルに頭を使って、要求にいかに応えていけるを楽しみながら模索していっています。望んでいたメリハリのある働き方ができていますね。仕事帰りには、恵比寿のお店を巡ったりもしています。
実務的にも、自分の知見で会社の抱える諸問題の解決法を提示していき非常に喜ばれるという、充実感のある毎日を過ごせています。

上場企業にも引けを取らない法務体制を目指す
事業会社において重要な仕事を任せられている以上は期待値に見合う仕事を一つひとつ積み上げていきます。
組織に入ってみると、依頼される業務以外での社内的な改善点も次々と見つかってきます。内部体制の強化や仕組みづくりにも積極的に取り組んでいきたいと思っています。みんながより良く働け、それが成果向上に結びついていくことが理想です。
そして、ゆくゆくは上場企業にも引けを取らないインハウスの法務体制を構築していきたいですね。