
営業プロセス構造化~オペ改善PoCを高速で回し、売上ギネスを牽引。MVPを獲得したセールスリーダーのイネーブルメント成功法則
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クリタ
クリタ
早稲田大学出身。アパレル業界の老舗企業で店舗接客から本社ディストリビューター職まで3年間経験し、全国200店舗の在庫管理を担当。全店舗を巻き込んだオペレーション改善で成果を出しつつもルーティンワーク中心の環境に成長の限界を感じ、より高度な課題解決を求めてクーリエにジョイン。カスタマーコンサルタントとして1年間現場経験を積んだ後、現在はセールスイネーブルメント職でデータドリブンな改善施策を推進している。今後は他チームや他事業へのイネーブルメント展開を通じ、組織全体の生産性向上に貢献することを目指している。
目次
ルーティンワーク中心の前職で感じた成長の限界
クリタさんは前職ではアパレル業界でディストリビューター職をされていたそうですね。具体的にはどのような業務を担当されていたのですか?
新卒で入社したのは、婦人服・紳士服・子供服・雑貨を手がける老舗のアパレル企業でした。1年目は店舗で接客・販売を経験し、2年目からは本社でディストリビューター職として全国約200店舗の在庫管理・流通管理を担当していました。
主なミッションは、全店舗の在庫量をコントロールして商品を完売に導くことです。まず各店舗の売上データを分析して、分析結果に基づいた初期投入数を決定します。その後、出荷業務委託先との日程調整を行い、商品入荷後1ヶ月での売れ行きを評価するんです。
売れない店舗から売れる店舗への在庫移動指示を出したり、販売時期が過ぎた商品についてはファミリーセールを活用したりと、とにかく「売り切る」ことを重視していました。週に1〜2日は倉庫での梱包・出荷作業もあり、10kg超の段ボールを扱うこともある、体力的にもハードな業務でしたね(笑)。
200店舗以上を巻き込んだオペレーション変更を主導されたと伺いました。どのような取り組みだったのでしょうか?
当時、新作商品のカタログ受注システムがFAXに依存していて、毎週1,000枚以上のFAXを処理しなければならない状況でした。これを8つのブランドに手作業で振り分けて、Excelに手打ちで集計するという、とにかく工数がかかる作業だったんです。
そこで私が提案したのが、各店舗のPCからスプレッドシートに直接入力してもらうシステムの導入でした。全国200店舗以上の店長さんたちに新しいオペレーションを理解してもらい、実際に運用してもらうまでが本当に大変でしたが、結果的に月20時間の工数削減を実現できました。
このプロジェクトを通じて、データ分析やオペレーション改善の面白さを実感できましたし、自分の施策が組織全体に影響を与える手応えを感じられたのが大きな収穫でした。

そんな中で転職を考えるようになったきっかけは何だったのですか?
転職を意識するようになったのは、ある商品が予想外に売り上げが好調だったことがあり、その要因について分析したレポートを作成したことがきっかけでした。前年の類似商品の前年データとの比較分析に加えて、店舗スタッフに電話でヒアリングを実施し、独自の要因分析を行ったんです。
そのレポートを商品企画課に共有したところ、非常に高い評価をいただき、次期商品企画への活用も決定されました。この経験で、自分の業務が商品企画領域まで影響を与えることを実感し、従来の業務範囲を超えた価値創造の可能性に気づいたんです。
それと同時に、同世代の友人たちと比較して責任の範囲に格差が生まれていることへの焦燥感もありました。ルーティンワーク中心の業務では成長スピードに限界を感じていたので、もっと高いアウトプットを創出できる環境で、他者の課題解決支援に携わりたいという思いが強くなっていったんです。
数ある転職先の中でクーリエを選んだ決め手を教えてください。
転職エージェント経由でクーリエの存在を知ったのですが、まず驚いたのが業務の徹底的な仕組み化とシステム活用による効率化でした。人間にしかできない固有の価値創出に集中できる環境が整っているのは、他社と比較しても成長スピードで優位性があると感じました。
特に印象的だったのは、面接時にマネージャーが課題について誠実に説明してくれたことです。良い面だけでなく、入社後に想定されるギャップについても事前に開示してもらえたので、実際に働く姿を想像できました。
それに、年功序列でない企業文化や、経営幹部に近いポジションでの業務機会が得られることも魅力でした。人事面接では具体的なキャリア機会を提示してもらえたので、自分の成長イメージが明確に描けたことが決め手になりましたね。
カスタマーサクセスで発揮するデータ分析力とオペレーション改善のスキル
入社後はカスタマーコンサルタント、セールスイネーブルメントを担当されているそうですね。具体的な業務内容を教えてください。
現在は「みんなの介護」のカスタマーサクセスの中のカスタマーコンサルタントチームを対象としたセールスイネーブルメントを担当しています。チーム業務に関わるシステム改修やオペレーショナルエクセレンスの磨き込みが主な業務です。
具体的には、データ基盤を活用してオペレーション改善策を立案し、チーム全体の成果向上に向けた施策を実行しています。行動管理・追跡システムの運用も担当していて、最終的な目標は「みんなの介護」の売上最大化です。
前職で培ったデータ分析力とオペレーション改善のスキルを活かして、カスタマーコンサルタントのメンバーがより効果的にカスタマーに価値提供できる仕組みづくりに取り組んでいます。

特に成果を実感されたプロジェクトがあったと伺いました。詳しく聞かせてください。
最も手応えを感じたのは、カスタマーとの接触率向上プロジェクトです。
カスタマーコンサルタントが「みんなの介護」に問い合わせいただいたカスタマーに架電し、希望条件に合う介護施設への入居支援を行うのですが、最大の課題は「電話が繋がらない」ことでした。
私が担当した時点で、接触率(カスタマーとの会話に成功する割合)は約50%程度。つまり、10件架電しても5件は会話すらできない状況でした。これは単なる効率の問題ではありません。介護施設を探されているカスタマーは、ご両親の介護で切羽詰まった状況にある方が多く、一刻も早くサポートを必要としているのに、その機会を逃してしまっているということでした。
前職で店舗スタッフへのヒアリングを重ねた経験から、「なぜカスタマーが電話に出ないのか」を多角的に分析する必要性を感じていました。
実際にカスタマーコンサルタントにヒアリングを行った結果、以下のような仮説が浮上しました。
【仮設】カスタマーが電話に出ない原因
認知不足:カスタマーが「みんなの介護」からの連絡だと認識できていない
タイミング問題:カスタマーの都合の良い時間帯を把握できていない
情報不足:事前に送付するメール・SMSで価値を伝えきれていない
「部分最適」ではなく「全体最適」が重要なため、単に架電回数を増やすのではなく、カスタマーとの最初の接点であるメール・SMSから根本的に見直すことにしました。顧客との関係構築は最初のタッチポイントから始まるからです。
そこで、下記のような施策を行いました。
【メール・SMS文面の全面刷新】
1. メール・SMS内容のパーソナライゼーション
従来の画一的な「お電話いたします」という内容から、カスタマー固有のニーズを反映した内容に変更
カスタマーの問い合わせ時間や過去の応答パターンを分析し、最も応答率が高い時間帯を発見。これらの時間帯に自動送信するよう自社CRMを調整
・初回問い合わせ者:施設検索の不安に寄り添うトーン
・複数回問い合わせ者:具体的な施設提案を前面に
・緊急度高:即日対応可能であることを強調
結果として、メール・SMS送信後の接触率が52.1%から53.6%へ、1.5ポイント向上しました。
一見小さな数字に見えるかもしれませんが、月間数万件規模のアプローチを行っているため、実際のビジネスインパクトは非常に大きなものでした。何より、より多くのカスタマーに適切なタイミングで価値提供できるようになったことが、最も重要な成果だと感じています。
プロジェクト開始から2週間後、あるカスタマーコンサルタントから「クリタさんのおかげで、カスタマーとの会話がスムーズになりました。事前にお送りするメールで期待値が適切に設定されているので、お客様も私たちのサービス価値を理解してくださっています」と言われた時、定量面以外でも施策の効果を実感しました。
数値改善だけでなく、カスタマーとメンバー双方の体験が向上していることを実感し、前職で感じた「自分の仕事が領域を超えた分野へ影響を与える」喜びを、さらに大きなスケールで味わうことができました。前職のアパレル業界で培ったデータ分析力とオペレーション改善スキルが、まったく異なる業界でも活かせる手ごたえを感じた出来事でもありました。
このプロジェクトを通じて、前職での「オペレーション改善」スキルが、クーリエでは「顧客体験向上」という、より抽象度の高い価値創造に昇華できることを学びました。データ分析からシステム構築、そして実際の成果創出まで一気通貫で関われる環境こそが、自分が求めていた成長機会でした。
接触率が1.5ポイント向上したのは素晴らしい成果ですね。入社前後でギャップに感じたことはありましたか?
実は良い意味でのギャップがありました。入社前は「習うより慣れよ」スタイルで、即座に実務に投入されると想定していたんです。営業未経験でもあったので、自発的な情報収集が必要になると覚悟していました。
ところが実際には、ヘルスケア業界の知識、CRMの操作方法、カスタマー架電のロープレなどについて、十分なインプット期間を提供してもらえたんです。段階的にアウトプットに移行できたので、架電業務への不安も軽減され、スムーズに実務デビューできました。
何より印象的だったのは、企業文化の根底にあるカスタマーオリエンテッド、つまり顧客第一主義の徹底ぶりです。常に顧客利益を最優先とする判断基準が社内に浸透していて、この価値観が日々の業務にも反映されていることを実感しています。
組織全体のイネーブルメントを通じて、より大きな事業インパクトの創出を目指す
今後のキャリア目標について教えてください。
現在はカスタマーコンサルタントチームのセールスイネーブルメントを担当していますが、短期的には他チーム・他事業へのイネーブルメント拡大を目指しています。
カスタマーコンサルタント業務を1年経験して高い解像度で現場オペレーションを理解できている強みを活かし、組織全体でオペレーション最適化の余地がある領域に介入していきたいと考えています。
より大規模な組織改善による価値創造、つまり事業インパクト創出を通じて、課題把握プロセスの高度化による自己成長も加速させたいですね。
将来的には、組織全体の成長を支えるイネーブルメントのプロフェッショナルとして、より抽象度の高い課題解決に取り組んでいきたいと思っています。

クーリエで働く魅力はどのような点だと感じますか?
一番の魅力は、論理的思考力と主体的な発信力が正しく評価される環境だと思います。「こういう理由で自分はこう考える」ということを明確に表現できれば、信頼が蓄積されて責任が拡大されるという好循環が生まれます。
日常的な取り組みとしては、朝会での成功事例共有や定期的な勉強会開催など、成果をアピールする機会が豊富に用意されています。マネジメント職へのチャレンジや、イネーブルメント領域での専門性向上、組織に大きなインパクトを創出するポジションへの昇進など、キャリア発展の選択肢も多岐にわたります。
何より、自己成長のヒントが社内に豊富に散在していることが素晴らしいですね。「気づき→行動変容→成果創出→仕事の楽しさ」向上という成功法則を実感できる環境です。
最後に、営業職への転職を検討している方へメッセージをお願いします。
クーリエは自己成長意欲と挑戦志向を持つ方にとって、理想的な環境だと思います。営業未経験であっても、論理的に物事を考えて、自分の意見をしっかりと表明できる方であれば、必ず活躍できる場があります。
私自身、アパレル業界から全く異なるヘルスケア業界に飛び込みましたが、前職で培ったデータ分析力やオペレーション改善のスキルを存分に活かすことができています。大切なのは、新しい環境でも学び続ける姿勢と、常に顧客目線で物事を考える意識だと思います。
クーリエには成長機会とチャレンジ環境の両方が揃っています。自分の可能性を広げたい、より大きな事業インパクトを創出したいという思いをお持ちの方は、ぜひ一緒にヘルスケア業界の課題解決に取り組みましょう。皆さんとお会いできることを楽しみにしています!