
広告代理店からインハウスマーケターへ。1stパーティデータを活用し、SQLからナーチャリング等、実効性の高い施策を生むカルチャーとは
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キタオ
キタオ
近畿大学建築学部建築学科卒。新卒入社した大手ゼネコンで2年間施工管理業務を経験したのち、かねてより志望していた広告業界へキャリアチェンジ。広告代理店で多くのクライアントを担当するも、より深いインサイト創出のための分析スキル獲得をすべく、クーリエにジョイン。入社後はWeb広告の運用・改善のほか、ナーチャリングチーム立ち上げメンバーとして、データ分析や顧客体験の設計まで幅広い領域を担当する。F1観戦が趣味の熱いマーケター。
広告代理店からインハウスマーケターに転身
キタオさんは前職では広告代理店に勤めていたそうですね。事業会社に興味を持ったきっかけは?
自社データを持つ企業に身を置いて、インサイトの分析から広告やマーケティングの施策を打ちたいと考えたのがきっかけですね。
新卒では大手ゼネコンに入社しました。学生時代は建築を学んでいたので、希望の業界ではあったものの、業務をしていくうちに今後の成長性に疑問を感じる部分があって。
かねてより広告にも強い興味があったので、思い切ってキャリアチェンジすることを決めました。
入社した広告代理店では、事業会社からデータを受け取って戦略を立案していました。各業界における広告戦略を考えることは面白い部分ではあったのですが、クライアントから提供いただけるデータに制限があり、インサイトの創出に限界を感じていたんです。
日々業務を進めるうちに、自社データを持つ事業会社でデータ分析スキルをより伸ばしていきたいという思いが日に日に強くなっていることに気が付きまして。自社サービスへの愛着を持ちながら、そのサービス成長のために主体的に動ける環境に身を置きたいと考えるようになりました。
そんな葛藤を抱えていたとき、クーリエがマーケティングをインハウス運用していると知り、すぐに選考に進みました。
具体的にはどのような経験を積みたいと思っていたのですか?
広告代理店では、Web広告の設計や改善を通じてユーザーとの接点をつくるおもしろさを日々感じていましたが、いつしかその場で終わってしまう感覚に物足りなさを覚えるようになっていました。
目の前の配信結果だけではなく、ユーザーが広告を見たあとにどう動き、最終的にどんな意思決定に至ったのか——全体を描けるマーケターになりたいという思いが、次第に強くなっていったんです。
だからこそ、オンライン広告に限らず、TVCMのようなマス施策やリアルイベントなど、オフライン施策も含めたマーケティング全体を見渡せる環境で、自分のスキルを拡張したいと考えるようになりました。
特に事業会社であれば、ユーザーの行動ログや購買データといった1stパーティデータが蓄積されているため、断片的な施策ではなく、中長期視点での統合的なマーケティング戦略を描ける。その環境でこそ、広告代理店で培った「施策実行の筋力」をより実践的に活かせると感じたんです。
また前職ではクライアントの広告予算をいかに大きくするかがKPIとして重視されており、成果が出ていない施策でも、クライアントが了承すれば実行することも珍しくありませんでした。
頭では「仕事だから仕方がない」と理解していても、心のどこかでは「本当にこれでいいのか」と違和感を覚える瞬間があったんです。
目の前の数字に責任を持ちながらも、その先にある“サービスそのものの成長”に貢献したい。そう思ったとき、自社サービスの価値を信じ、自分の提案と行動がその未来に直結する環境に身を置きたいと、自然と強く思うようになっていました。

SQLの学習から、ナーチャリングプロジェクトの立ち上げまで
入社後はどのようなことに挑戦できましたか?
正直、入社時点では「SQLってデータベース言語?」というレベルでした。ですが、入社初月から役員やチームリーダーによる勉強会が定期的に開かれ、実データを使った実践演習が組まれていたことで、今では実効性の高いインサイトを見つけられるクエリ作成能力を身につけることができました。
さらに、Googleスプレッドシートと組み合わせたデータ可視化や、ユーザーセグメントごとのmatrix構造の設計にも取り組み、定性・定量の両面から意思決定できる力が身につきました。今ではチーム内で分析勉強会を企画・実施し、SQLのTipsやマーケティング施策との接続方法を他メンバーに共有する立場にもなっています。
ナーチャリングチームの業務はどのように進めているのですか?
入社から半年が経った頃、リードナーチャリングを主軸とした新規プロジェクトの立ち上げメンバーになりました。
まっさらな状態から施策を構築していく、まさにゼロイチのフェーズ。初期メンバーとして関われたことは、私にとってマーケターとしての思考と実践の幅を一気に広げる転機となりました。
プロジェクトのテーマは、「資料請求に至らなかったユーザー──いわゆるCV未達層に、どうアプローチし直し、接点を再構築できるか」。単なるリターゲティングではなく、ユーザーの心理と行動パターンを深掘りし、“自発的なアクション”へとつなげる仕組みをどう設計するかが求められました。

まずはSQLを活用して、過去ログの分析からスタートしました。仮説とターゲティングが明確化された上で、公式LINEアカウントへの登録誘導や、メールアドレスによる会員登録導線の再設計といった施策を構築。ABテストを通じて文言やタイミングを微調整しながら、開封率やクリック率といった指標を日次で確認し、翌日には改善策を投入するという高速PDCAサイクルを実現しました。
この取り組みを推進する上で、特に強く感じたのが、クーリエにおける「経営との距離の近さ」です。役員陣との定例MTGが設定されており、そこでは現場の状況をリアルタイムで共有し、意思決定が即時に行われます。たとえば、「LINEの登録遷移率が低下している」という報告に対して、その場で新たなキャンペーン導線の案が経営側からも出てきて、当日中には実装がスタートする。こうしたスピード感ある連携に、最初は驚きました。
さらに、ナーチャリング施策はCSチームやプロダクトチームとも密接に関係するため、他部署との調整も日常的に発生します。複数のタスクが並行するなかでも、経営との距離が近く、心理的ハードルなく相談できる文化があるからこそ、調整や合意形成が驚くほどスムーズに進みます。
ただの「再アプローチ」ではなく、ユーザー視点とデータを融合し、経営レベルでの意思決定に基づいて動かしていく──。この経験を通じて、単なる広告施策の設計者から、「マーケティングと事業をつなぐ実行者」へと進化する手応えを得ることができました。

主体性とチャレンジ精神が評価される環境
今後はどんなキャリアを描いていますか?
目先の目標としては、現在のナーチャリング施策をより高精度なユーザー体験設計へと昇華させ、LTV向上に貢献していくことです。
その先には、チームのマネジメントを担う立場に早期に就き、戦略立案と育成の両輪を回していくことを目指しています。
将来的には、自身で事業を立ち上げることも視野に入れています。そのためには、今のクーリエで経験できる「事業全体の視点」「オーナーシップを持った施策実行」こそが、何よりの財産になると感じています。
人生は一度きりですから、自分の可能性に限界を設けず、どこまでいけるのかチャレンジし続けたいと思っています。それが起業という選択肢にも繋がっているのかもしれません。
クーリエで働く醍醐味はどんなところにありますか?
クーリエは、単なる広告運用の現場ではなく、事業成長の中核を担うマーケティングの実践舞台です。もし、これまで培ってきた広告運用の経験を、より本質的な価値創出に結びつけたいと考えていれば、ここにはその挑戦を歓迎する土壌があると思います。
特に、1stパーティデータを活用したリアルなユーザー分析に興味がある方には、非常に刺激的な環境です。単にレポートを見るだけでなく、自分の手でSQLを書いてインサイトを抽出し、実際の施策に反映させる──そんな“実戦力”が日々求められます。
また、戦略を語るだけではなく、自らの手で施策を設計し、実行し、検証する──そうした「提案から実行までを一気通貫で担いたい」という志向の方にとって、クーリエは理想的なステージだと思います。正解がない中でも、課題を自ら見つけ、仮説を立て、周囲を巻き込みながら前に進んでいける“自走力”が、何よりも価値として評価されます。

最後に、こんな人にクーリエをおすすめしたいというメッセージをお願いします!
クーリエはマーケティングにリソースを積極的に投下している会社です。事業規模や広告を運用している媒体数を考えても、ここまでマーケティングに注力してインハウス運用を実現している組織は珍しいのではと感じています。若手であっても大きな裁量を持ち、経営視点に近い場所で意思決定に関わることができます。
「経験がないから」とためらう必要もなく、私自身もSQLも知らない状態からこの世界に飛び込み、仲間の支援を受けながら実践力を磨いてきたように、クーリエにはゼロから挑戦する人を全力で後押しする文化があります。
「広告運用のプロフェッショナルとしてさらにステップアップしたい」「マーケティングで事業を動かす力を身につけたい」と考えている方には、ぜひクーリエをおすすめしたいですね。間違いなく、その熱意に応えてくれる場所です。
とにかくチャレンジ精神旺盛な組織なので、自分から積極的に提案して手を動かせる人、自走できる人には向いていると思います。
何より、クーリエで働く一人ひとりがサービスに対する愛着を持って、そのサービスをもっと良くしていこうという熱量を持っています。
ぜひ、その一歩を踏み出してみてください。